出生前検査について
当院では以下の検査を行っておりますが、検査前には必ずご主人あるいはパートナーの方とともに、検査前カウンセリングを受けていただく必要がございます。
【コンバインド検査】 検査費用35,000円(初診あるいは再診料が別途かかります)
お母さんの年齢に、超音波検査で計測した後頸部浮腫(Nuchal Translucency;NT)の値とお母さんの血液中の2つの成分(PAPP-A・hCG)を組み合わせることで、お腹の中の赤ちゃんがダウン症候群・18トリソミーである確率を計算するスクリーニング検査です。検出率は、ダウン症候群が83%、18トリソミーが80%と推測されています。検査対象となるのは、妊娠11~14週で検査を希望する全ての妊婦さんです。
後頸部浮腫(Nuchal Translucency;NT)は、妊娠11週0日~13週6日、頭殿長(CRL)45~85mmの赤ちゃんにみられる首の後ろのむくみで、リンパ液が溜まったものと考えられています。この週数・大きさの赤ちゃんには必ずみられるものなので、“NT=異常なもの”では決してありません。NTが厚いと、赤ちゃんが染色体やかたちの違いをもっている可能性がありますが、NTが厚くても正常な赤ちゃんもいれば、NTが厚くなくても生まれつきの疾患をもっている赤ちゃんもいます。但し、NTの計測には高い技術を要し、正確に行うことができるのは専門の検査機関による認定を受けた有資格者だけです。当科にはその有資格者がおり、高い精度を保証することができます。
【NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)】 検査費用120,000円(初診あるいは再診料が別途かかります)
お母さんの血液を10~20cc採取し、血液中を流れているDNAの断片を分析します。お母さんの血液中には、胎盤から漏れ出てくる赤ちゃん由来のDNAが10%くらいの濃度で混ざっていて、このDNA断片を調べることで、赤ちゃんに染色体疾患(ダウン症候群・18トリソミー・13トリソミー)があるかないかを調べる検査です。
最近では、ネット予約やメールでの結果通達などの簡便さや対象疾患の多さを謳い文句にした無認可施設も出てきています。これらの施設で検査をお受けになられた場合、検査の意義・精度・結果の解釈などについての理解が不足したまま受検することになり、思わぬトラブルに巻き込まれたり、逆に不安になってしまうケースも見受けられます。当院は、出生前検査認証制度等運営委員会によって認可された基幹施設として、認証検査機関と連携したうえで、以下の妊婦様を対象にNIPTを行っています。
出典:NIPTコンソーシアム
- 当科で分娩予定の方※1
- 35歳以上の方※2
- 胎児超音波検査で赤ちゃんが染色体疾患である可能性を指摘された方
- 母体血清マーカー検査で赤ちゃんが染色体疾患である可能性を指摘された方
- 染色体疾患のお子さんを妊娠あるいは出産したことがある方
- ご自身とパートナーのどちらかが均衡型ロバートソン転座を有していて、赤ちゃんが13トリソミーまたは21トリソミーとなる可能性がある妊婦
※1:カウンセリングの質を担保するため、当科として対応可能な件数には限界があります。そのため、原則的に当科で分娩予定の方に限定させていただいておりますが、予約枠の空き状況や本検査選択にいたる経過などによっては、それ以外の方でもお受けできることがございます。
※2:35歳未満の方であっても、本検査選択にいたる経過などによってはお受けいただけることもございます。
【羊水染色体検査】 検査費用80,000円~(初診あるいは再診料が別途かかります)
妊娠15週以降に、羊水穿刺で20ccの羊水を採取し、その中に含まれている赤ちゃん由来の細胞を増やして(培養して)調べることで、染色体疾患があるかどうかを調べる検査です。まれに、特定の遺伝性疾患を診断する目的で、遺伝子変異や酵素変化を調べることもあります。羊水穿刺は、超音波検査で赤ちゃんの位置を確認し、お母さんのお腹を消毒した後で、長い注射針を刺して行います。局所麻酔はしませんが、採血より細い針を使うので、ごく軽い痛みですみます。
出典:NIPTコンソーシアム
【胎児超音波スクリーニング】
先天性疾患と出生前検査についての説明書(pdfファイル:886KB)
NIPT説明書冊子版(pdfファイル:507KB)
NIPT遺伝カウンセリング前問診表(pdfファイル:187KB)
一緒に考えよう、お腹の赤ちゃんの検査|出生前検査認証制度等運営委員会